ヤブ漕ぎ地獄を行く俎粠(まないたぐら)と川棚ノ頭

日時 2018.5.26(土)
場所 俎粠・川棚ノ頭(1845.7m)
天気 晴れ夕方霧

  



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 大方の人はヤブの隠される残雪期に登っているので、何を好んでこんな時期にと揶揄されそうだが、行程が長くなるのを見越して日の長い梅雨入り前を選んだわけだ。
 ヤブ漕ぎは覚悟のうえで取り付いたのだが、俎粠・川棚ノ頭の各山頂付近のヤブは想像をはるかに超えていた。低いところでは膝か腰までの笹ヤブで、あるかないかのほんのかすかな踏み跡を辿れるのだが、これが胸までの丈になると踏み跡はなくなり窒息しそうで恐怖感すら感じる。さらにマツやシャクナゲ、サクラが交じった場所ではザックが邪魔をしてさらに難渋する羽目となった。
 基本的には尾根の頂上を辿るのがベスト。ただ東南面は切れ落ちているので笹の踏み抜きには注意したい。赤谷川側にはショートカットしたトラバース道があるようにも見えるのだが、だまされてはいけない。下へ行くほど笹は深くなる。
 川棚ノ頭から俎粠への登り返しではその偽トラバース道(欲目でそう見えるだけで実際には存在しない)にだまされサクラ地獄に突入してしまい、尾根へ戻るのに死ぬほど苦労した。ここが最大の危機。
 最後の難所は1761mの鞍部からオジカ避難小屋への登り返しだ。特に尾根が広くなる最後の30分は、胸までの笹をかき分け踏みつけ、早く終われと念じながら呆けたように歩むのみだった。
 避難小屋まえでバタンと横になり後続を待つ。もうすぐ16時だ。最終17時のロープウェイには間に合わないが、想定内なので帰りの切符は買っていない。田尻尾根を下る覚悟で長く辛い下山にかかった。
 熊穴沢避難小屋18時10分。田尻尾根を経てあと2時間もの下りかと辟易していた矢先、ひょんなことからまだロープウェイが動いているとの情報を得た。ポスターなど見向きもしないのでまったく知らなかったが、金・土曜日限定で「天空のナイトクルージング」というイベントをやっていたのだ。
「よかったぁ!」 
 しかし、これでまた田尻尾根を下る機会を逸したとほくそ笑んだ。


本庄(4:20)〜赤城高原SA[朝食]〜水上IC〜(7:00)谷川岳ベースプラザ(7:15)〜谷川岳ロープウェイ〜谷川岳ロープウェイ山頂[1319m](7:30)・・・熊穴沢避難小屋(8:10)・・・天狗の留まり場(8:35)・・・天神ザンゲ岩(9:05)・・・肩の小屋(9:30)・・・中ゴー尾根(9:50)・・・(10:25)オジカ沢ノ頭・オジカ避難(10:55)・・・俎粠最高点[1890m](12:00)・・・(12:55)川棚ノ頭(13:05)・・・ 俎粠最高点(13:55)・・・(15:20)オジカ沢ノ頭南面雪渓(15:40)・・・(15:45)オジカ避難小屋(16:00)・・・中ゴー尾根(16:40)・・・(17:05)肩の小屋(17:15)・・・天狗の留まり場(17:35)・・・熊穴沢避難小屋(18:10)・・・ロープウェイ山頂駅(18:50)・・・(19:10)谷川岳ベースプラザ〜水上IC〜本庄

歩行時間  谷川岳ロープウェイ山頂駅〜オジカ沢ノ頭 2時間50分
      オジカ沢ノ頭〜川棚ノ頭 往復 4時間10分
      オジカ沢ノ頭〜谷川岳ロープウェイ山頂駅 2時間40分
      合計 9時間40分

獲得高度差 1250m




天神尾根からこれから歩くスカイライン。 8:30




天神ザンゲ岩からの俎粠山稜と幕岩。それほどのヤブとは思えないのだが・・ 9:05




雪田を100mほど登ると肩の広場。 9:30




オジカ避難小屋の前から笹原の海に突入。高さは下りで腰までだから帰りは胸までとなるだろう。 10:55




オジカ沢の源頭部と遠景は武尊山



赤谷川本谷と万太郎山。 
11:10





笹の海を腰まで埋没させながらあとに続くS氏。 11:15





俎粠の最高点(右)と川棚ノ頭(中央)。背後の山は小出俣山(左)。 12:05





俎粠と川棚ノ頭との鞍部は草付きとなり歩きやすいが、それもつかの間・・・ 12:40





川棚ノ頭山頂直下のシャクナゲヤブ。ここはいったん左のガレへ逃れてから最高点と思われる地点へ直に這い上がった。 12:55





どんぴしゃりで見つけた証拠の三角点標石。 13:05





川棚ノ頭から茂倉岳、オジカ沢ノ頭、俎粠。 13:15  





最大の危機を突破して俎粠への尾根に戻る。 13:45





オジカ沢ノ頭へ典型的な非対称山陵を登り返す。 14:40