近畿日本ツーリストの「北海道、花の浮島・礼文島に連泊して歩くフラワートレッキング4日間」に、北本の北の爺さん夫妻と参加した。礼文島は標高500メートル足らずの島ながら、海岸線から高山植物が咲き乱れる花の名所である。特に南端にある桃岩はエゾカンゾウとともに利尻岳を望める絶好のポイント。いつかは訪れてみたい憧れの地であった。
7月3日(水) 曇り時々晴れ
本庄〜(高崎線)〜上野〜(京浜東北線)〜浜松町〜(東京モノレール)〜羽田空港〜(ANA573便)〜稚内空港〜(バス)〜稚内港〜(ハートランドフェリー)〜礼文・香深港〜(バス)〜ホテル礼文
稚内港から16時15分発のフェリー「ボレアース宗谷」に乗り込む。
港を出ると利尻岳が姿を見せた。
船上からの利尻岳。笠雲もいいがすっきり晴れた姿が見たい。
礼文島の香深港が近づく。
ホテル礼文の5千円アップオプションの夕食。
7月4日(木) 曇り時々晴れ
香深港〜(路線バス)〜知床・・・元地灯台・・・桃岩展望台・・・香深港・香深館〔昼食〕・・・(レンタカー)〜メノウ浜・地蔵岩〜金田の岬〜久種湖〜香深港〜旅館桜井〜(バス)〜ちゃんちゃんはうす〔夕食〕・・・旅館桜井
9時1分の路線バスで最南端の集落知床へ。バスはここまで、車道もこの先数百メートルで途切れる。ここから元地灯台、桃岩を経て香深へと戻る4時間のトレッキングだ。
元地灯台。
手前の白花は、花ガイドがしきりに「メロンパン」と形容したオオカサモチ(大傘持)とオオハナウド(大花独活)。
天気は高曇り、利尻島もしっかり見えている。
オオハナウド(大花独活)−セリ科 高さは1メートル、花の冠は50センチにもなる。大きさで種類が決められたわけではないがとてもセリの仲間とは思えない。
エゾフウロ(蝦夷風露)−フウロソウ科 ハクサンフウロとどこがちがうのだろう?
イブキトラノオ(伊吹虎の尾)−タデ科 花にいやな匂いのあることを初めて知った。
エゾカンゾウ(蝦夷甘草)−ユリ科 キスゲ(黄菅)、ゼンテイカ(禅庭花)ともよく似ていて区別がつかない。
レブンハナシノブ(礼文花忍)−ハナシノブ科
ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)−キンポウゲ科 英語名はバターカップ(buttercup)。質感がバタークリームに確かに似ている。
ミヤマオダマキ(深山苧環)−キンポウゲ科 民家の道端にも雑草のように咲いていた。
香深で自由解散となりまずは昼食をと漁業組合直営レストラン「かふか」へ入る。明日ウニ丼を食べることになっている場所らしい。今日のところはにぎり鮨8カンをいただく。
午後はレンタカーで島をめぐることにした。実は桃岩の休憩所で南岸めぐりの遊覧船があるのを見つけ、予約の電話をしてみたがしけで欠航だと告げられていたのだ。
元地の北、メノウ浜にある地蔵岩。海から見上げると地蔵様が合掌している姿に見えるとのことだが、海岸からはまったく想像できない。ただ直立不動の一本岩は立派である。
この海岸でずっと隠し続けてきたサプライズを公開。メロンを丸ごと持ってきたのだ。
メノウ浜の浜辺に咲く文字通りのハマナス(浜梨・浜茄子)−バラ科
ハマベンケイソウ(浜弁慶草)−ムラサキ科
桃台猫台(桃岩展望台と反対側にある桃岩を下から見上げる展望台)から北の眺め。海岸は元地からメノウ浜と地蔵岩のある岬。
北東に突き出た金田の岬。元、礼文空港だった近くの高台からエゾカンゾウの群落とトド島。
夕食は旅館から少し離れた炭焼きレストラン「ちゃんちゃんはうす」で。アルミホイールを鉄板代わりにしてウニ、カニ、ホタテ、エビなどを焼いて食べる。生でもいける食材なので美味いことこのうえない。
旅館へ歩いて戻る道すがら、香深漁港越しに利尻島。明日は山頂を見せてくれるだろうか。
7月5日(金) 晴れ時々曇り
旅館桜井〜(バス)〜桃岩ハイキング〜(バス)〜旅館桜井〜(バス)〜澄海岬〜(バス)〜江戸屋山道ハイキング〜(バス)〜スコトン岬〜(バス)〜高山植物園〜(バス)〜船泊〜(バス)〜香深館〔昼食・ウニ丼〕〜(バス)〜香深フェリーターミナル〜(ハートランドフェリー)〜利尻・鴛泊港〜(バス)〜姫沼一周ハイキング〜(バス)〜オタトマリ沼〜(バス)〜仙法志岬公園〜(バス)〜富士野園地〜(バス)〜北国グランドホテル
5時半発の「早朝礼文ゆっくりお花ハイキング:桃岩展望台周辺」に一人で参加した。
桃岩展望台から。利尻島が逆光でシルエットになってしまい残念だったが、4日間でこの瞬間が一番雲の少ない状態だったかなと思う。
スズムシソウ(鈴虫草)−ラン科 色、形ともナットク。
サイハイラン(采配蘭)−ラン科 戦で武将が持つ采配に似ているところから名がついたそうである。
センダイハギ(千代萩)−マメ科 関東中部では見かけない。北国の海辺に多いそうだ。
今日はバス移動と少々のハイキング。
左手前から突き出た岩礁が澄海岬で、写真中央のノコギリ歯の突端が稲穂の岬と思われる。で最奥はゴロタの岬ということになる。
江戸屋山道ハイキング
海岸のメインロードから離れて展望のいい山沿いへ入る。
舗装された車道ながら道沿いは百花繚乱。
タカネナデシコ(高嶺撫子)−ナデシコ科
海もまたきれいである。礼文ブルーという言葉があって、まさにこの海の色をそう呼ぶそうである。
ゴロタ山(180m)とゴロタの岬。
スコトン岬
礼文島最北端のスコトン岬。最北の番屋は今はさびれてオンボロボォロォロォ。
スコトン岬のさらに北にはトド島が浮かんでいて、浜辺はどこも打ち寄せられたコンブがぎっしり。
高山植物園(船泊)
目当てのレブンアツモリソウ(礼文敦盛草)−ラン科 野草愛好家にとって垂涎の的。天然物は絶滅の一途かなぁ。
チシママンテマ(千島マンテマ)−ナデシコ科
レブンウスユキソウ(礼文薄雪草)−キク科
漁組の人の手ほどきを受けて何とか食べられるようにするのがやっと。味は格別だが剥いてもらった方が無駄がでないみたい。
ウニ丼
礼文島での最大にして最後のイベント、ウニ丼の昼食。獲れたてのウニを頬張れるなんて最高の幸せ。ムラサキウニとバフンウニ、どっちがどっちかわからないが、乗ってるもんは全部ウニだぜ。
ウニを食って礼文島ともお別れ。歩きたい所がまだいっぱいあるなぁ。
利尻島へ渡るフェリー・Boreas Soya。
港で待ち受けていたバスに乗り込み、時計周りで島内一周の観光に向かう。
オタトマリ沼。ここからの利尻岳は北海銘菓「白い恋人」のパッケージデザイン。ハートマークの中のあれである。
同じ場所から夕日ヶ丘展望台と利尻岳。
北国グランドホテルの屋上7階から利尻岳。しばらく眺めていたがこれ以上に雲が晴れることはなかった。
2種類のウニ、食べくらべ。左の色の薄いのがムラサキウニ、右がエゾバフンウニ。
7月6日(土) 晴れ時々曇り
北国グランドホテル・・・夕日ヶ丘展望台・・・北国グランドホテル〜(バス)〜鴛泊港〜(ハートランドフェリー)〜稚内港〜(バス)〜稚内公園〜(バス)〜昼食〜(バス)〜北市場〜(バス)〜宗谷牧場〜宗谷岬〜(バス)〜稚内空港〜(ANA574便)〜羽田空港〜(リムジンバス)〜籠原〜本庄
早起きして夕日ヶ丘展望台へ行ってみた。どんよりしていて利尻岳は見えなかったが、霧に霞みながらも礼文島は姿を見せていた。ポンモシリ島には数艘の船が出ている、ウニを獲っているのだろう。
久々のパンで朝食をとり、軽く温泉につかってから慌ただしくバスに乗り込んだ。混雑していてエレベーターになかなか乗れなかったのだ。
ウミネコ(足が黄色)も見送ってくれた。
稚内が近づく。
稚内公園、氷雪の門。
北海道最後の昼食は稚内市内の和食屋。大ダコのしゃぶしゃぶ、あんな大きな切り身が喉を通るのかと心配したが、しゃぶしゃぶすると柔らかく適度な大きさになり実に美味かった。
北緯45度31分14秒。厳密には日本最北端ではなく北海道最北端というべきであろう。本当の最北端は北緯45度33分28秒、日本の北方領土の択捉島・カモイワッカ岬なのだから・・・。
北海道北部としては暑く、真夏の陽気となった4日間。とはいってもまったく蒸し暑さはなく日影は快適だ。関東は梅雨が明けたらしい。暑い所へ帰るのか・・・。
礼文島はまだまだ歩くコースがいっぱいある。難所もあるという西海岸8時間コースは魅力的だ。
利尻島は利尻岳あっての利尻島。登りたいとは思うが8合目までは大きな展望もお花畑も望めないと聞いた。
またチャンスがあれば歩いていない所へ足を踏み入れてみたい。