駒ヶ岳(海谷山塊)

日時 2018.4.30(月)
場所 駒ヶ岳(海谷山塊)[1487.4m]糸魚川市
天気 晴れ



 計画では日帰りで、海谷三峡パークから駒ケ岳・鬼ヶ面山・鋸岳の三山を縦走して海谷高地へ下り、海川を渡渉すること数回、三峡パークへ戻るという壮大なものだったが、入山してみてその計画はいたって無謀なものだったと痛感させられた。気力と判断力はあっても体力・速さ・装備がまったく整っていないし、往きに夏道を見つけられず時間を大きく消費したのは決定的であった。といって夏道があっても無理だったのは明白だが。

 駒ケ岳から先に足を踏み出さなかったのは正解だったが、下山に根知ルートを採用しようとしたのは大失敗であった。すぐに道を見失ったが何とかなるだろうとヤブを漕いでの強引な下山。偶然にミカン色のテープと枝の切株に出合ってしまったものだから、これは道に違いないと勘違いしてしまったのも不運であった。
 (しかしあれはなんだったのだろう? 2〜300mに渡って刈刃られた木の枝。道を切り開こうとしたにしてもあまりにも場所が唐突であり前後につながりがないのだから!)

 そして忽然と切株がなくなりこれ以上は下れないと判断したのは島滝沢左岸尾根の1110m地点。山頂を後にしてから再び駒ケ岳への尾根に戻るまで数時間。今宵のビバークも視野に入れながらの彷徨であった。

 登るときには気づかなかった赤いペンキマークが下り向きにはたくさんあって、本来の夏道に出合えてからは時間の計算も立ちライトの世話にならずに帰り着くことができた。

 後日ネットニュースと新聞で知ったのだが、前々日28日(土)海谷渓谷で登山者が流されるという事件が起きていた。下山中の7人パーティの先頭のひとりが急流に流され不明となったのだ。
 我々が海谷三峡パークへ入ったとき、駐車場には消防車が停まっていて消防署員や警察官が渓谷を見下ろしており、その先にはヘリコプターが飛んでいた。事情を訊いても事故ですというだけで何も教えてくれなかった。
 そんなこととは露知らず、すでに登山を終えてきたといった風情で車座に座っていた数人パーティに我々の計画を話し様子を聞いたのだが、何故か沈痛な面持ちで心ここにあらずといった感じだった。確証はないが渦中のパーティだったに違いない。


海谷三峡パーク(起床)3:30 発(5:05)・・・ロッジこまがたけ(5:25)・・・駒ケ岳への尾根(9:15)・・・(9:50)駒ケ岳山頂(10:40)・・・島滝沢左岸尾根1110m(14:00)・・・駒ケ岳への尾根(16:20)・・・縄バシゴ(17:40)・・・ロッジこまがたけ(18:35)・・・海谷三峡パーク(19:00)【テント泊】

歩行時間  登り 4時間45分 彷徨 5時間40分 下り 2時間40分  計 13時間
獲得高度差 1100m




海谷三峡パーク展望台からの海谷渓谷。正面の岩山が千丈ヶ岳、最奥には鉢山。 前日 16:00




明星山と黒姫山。 5:10




ロッジこまがたけ。 5:25




ここでアイゼンを付ける。 5:50




雪渓を登り切った所からは、岩とヤブとの急登をかすかな踏み跡を辿って慎重に登る。 5:55


 

海谷渓谷と日本海。 8:50




やっと山頂への尾根へ出る。 9:40



駒ヶ岳山頂



餓鬼岳・唐沢岳・爺ヶ岳鹿島槍ヶ岳五竜岳唐松岳



白馬三山・雪倉岳朝日岳



黒姫山



雨飾山 左の肩に高妻山が覗いている



海谷渓谷右岸の山々と鉾ヶ岳(左)



1498m峰と鬼ヶ面山 左遠方は火打山と焼山
9:50〜10:15


 同じ道を下るのが嫌で根知ルートを下りることにしたのだが・・・。





島滝沢左岸のヤセ尾根から根知川を見下ろす。 12:35




小滝を従えた島滝沢の源頭部。 13:30


 さらに30分下ったところでこのまま行ける雰囲気ではなくなってきた。いまから登り返しても今日中の帰還は厳しいかもしれないが、このまま行ったら命取りにもなりかねないと感じ引き返すことにした。




駒ケ岳への尾根に戻ると焼山に煙が上がっていた。 16:20




往きでは出合えなかった縄バシゴを下る。 17:40




雪崩の瞬間。 17:50




黒姫山に夕陽が沈む。ここまで来れば大丈夫、何とか無事に帰ることができた。 18:25